ジミ俗研究室

世間知らずのくせに思考を好んでいる情報弱者のブログです。「俗」な物事について気になったことを気になった順に書き記します。

YouTuberジョンレノを本当に応援している

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炎上うんぬんの話がしたいわけじゃない

彼を純粋に応援している。なんなら彼が今直面している問題について少々の持論を持ち、あわよくば本人の目に触れてほしいとすら考えているほど応援している。そう、今から僕は失礼なことをするのだ。登録者数93人どまりで活動を半ば諦めた人間が桁が4つも上の大物に対して意見をする。木更津に住んでる人間が港区の地価について論じるようなものだこんなの。それでもやる。語る。というのは、ざっと調べる限りそこまで分析したサイトが無かったから。

 

この記事ではジョンレノというキャラクターの道のり、どうしてウケたのかという理由を分析した上で現在の彼の動画の方向性、伸び悩みについて書いていく。

少々長い文章になるが、最後まで目を通して頂けると嬉しい。言ってしまえば拡散希望である。結果的にめぐりめぐって僕の知名度と好感度を上げたいからだ。

 

 

チャンネルの推移

「なかなか50万人行かんなあ」ジョンレノ、もとい演じる岩崎智樹が2019年6月5日更新の動画でポロリとこぼした。少々伸び悩んでいるようだ。

元々は50万はゆうに超えているチャンネルだったのだが、現在の49万5千という数字になるまでにはいくつかのイベントを経ている。彼の現状と、オワコンと言われる理由についてを把握するために、時系列で説明しよう。(※そこそこ詳細についても語るので長くなります、だいたい知ってる人や正直どうでもいい人は「ジョンレノは何が面白くて伸びたのか」までスライドして飛ばしてください)

 

・2016年7月、チャンネル開設

この頃から全くの無名だったわけではなく、Twitterでの動画投稿から小規模でのコミュニティで知られる存在だった。YouTubeチャンネルはTwitter動画をまとめたもの及び自作曲の弾き語りをアップロードするために用いられていた。

Twitterの動画は、主にその独特な縦長い顔を使ったもの。ようかい体操第一やミッキーマウスマーチなど明るい曲を流しながらなんとも言えない真顔でこちらを見ながら横に揺れるというもの。これの面白さについては、チョコスモ時代の動画などと合わせて後で少しだけ触れる。

 

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・2017年1月、YouTuberとしての活動開始~同年3月チョコレートスモーカーズ結成

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 ジョンレノというキャラクター像は少しずつ固まっていた。あまり表情は変えず、幼馴染のケビン、高校の同級生のアレックスを不安定な言動で翻弄する。この2人がキャラクター性ゼロで普通の若者でなおかつ決して不細工ではないという立ち位置であるだけに、ジョンレノだけはそのルックスも相まって際立つという構図になった。

そこにもともと個人でYouTuberをしていた当時15歳のまみこ(すぐヨハンに改名)を友達として引き入れる形で、半ば仲良し4人組でゆるく活動するようにしてチョコレートスモーカーズは発足した。

ジョンレノのキャラを際立たせる構図が上手くいき、チャンネルは日単位で成長したが、動画のクオリティは低予算なものが続いた。アドセンスの登録をミスったせいでYouTuberとしての収入が0だったからである。しかしジョンレノ自体が一部の中高生のトレンドであったため、他のトレンドを扱う必要がなく、チャンネル運営に必要な支出が0でも問題なかったのだろう。

2017年5月、ケビン一時脱退中に収益化し、この頃から商品のプロモーション動画が圧倒的に増えた。以降活動休止まで増え続け、ピーク時はほぼすべての動画がプロモーションとなることになる。

 

 

ヨハン脱退~チョコスモ解散

プロモーション動画の増加に比例して、メンバーの中でヨハンの役割が大きくなっていた。中学生の頃から一人でカメラに話し慣れているヨハンは、動画内で商品の説明をする仕事に適し、実際コメント欄でもヨハンの商品紹介はわかりやすいという評価が多かった。

ヨハンの好感度とは逆に、ジョンレノは静かに苦境へ苦境へと向かっていた。当時チョコスモはYouTuber事務所siLVer所属、2017年活躍したYouTuberの筆頭となる予定だったジョンレノは、その人気で事務所を成長させることに目標が変わっていた。後に本人が語った話によると、事務所主催ではなくジョンレノ個人が食事会を主催し、その費用もジョンレノ個人の収益から出されていた。事務所のための会食にもかかわらず、である。加えて視聴者プレゼントで当時高値で転売されまくったNintendo Switchを何台も用意したりしていたので、チョコスモの売り上げはほとんどその経費に消え、ジョンレノの生活は税金を払えないほどにまで困窮していたのだ。

そして、ジョンレノの不遇を決定づける事件が起こった。ヨハンへの暴力・いじめ疑惑である。きっかけはヨハンへの寝起きドッキリだった。ヨハンに商品紹介のイメージが付く前はいじられキャラという演出で寝起きドッキリが定期的に行われていたが、視聴者には20歳の青年たちが5つ下の少年を3人がかりで身体的な傷害を与えているように見なす者も少なくはなく、事実初めはジョンレノのダル絡みのようなものだったのが最終的に風呂桶に突き落とすまでのエスカレートがあった。

実際彼らの中では対等な友人関係で、少々の干渉はじゃれあいの範疇だったのだろうが一般論ではそうはいかず、彼らの中での年齢差に関する認識が弱かったことが招いたイメージダウンだった。周囲からすればヨハンに編集も説明もやらせてるのにいじめた挙句収益も3%しか分配されないという状況なのだからこうなるのは当然の流れだった。

 

さらに不運だったのが、これでは終わらなかったということだ。チョコスモが東京に進出した頃、ジョンレノと、彼の恋人、そしてヨハンの間で軋轢が生まれた。食事会が多くなったジョンレノは、年下の恋人を家に一人にすることが増え、恋人は不安感から年齢の近いヨハンに相談、ジョンレノはその事実を知ると浮気とみなしヨハンを糾弾し、二人の仲は一時的に険悪となった。そのムードは少なからず動画に表れ、結果としてジョンレノの暴力疑惑が強まった。そしてヒートアップした2人の喧嘩はジョンレノがヨハンを半ばクビにするような形でヨハン脱退にまで至らせた。脱退の知らせは文字が流れる簡素な動画で本人らの直接の説明はなし、ケビン一時脱退の動画との温度差から視聴者のヘイトを溜める悪手であった。

謝罪ブームのご多分に漏れず、すぐさま彼らは謝罪動画を投稿、それもまたジョンレノがどうしてこうなったかまでは説明せず、内情を知らない外様が噂を盛り上げジョンレノのイメージは地に落ちた。説明をしなかった理由としては、本人曰く(意約)、ここで何を説明しても自分が悪人であるイメージは変わらないので語らないことでヨハンを含めた関係者を噂の標的にさせない選択をしたとのことだった。これも悪手である。基本的にグループを統括する立場でなおかつ不祥事を起こした本人なのであれば事の経緯をなるべく詳細に話すのがリスク回避、被害者感情の観点からは必要な初動であると僕は思う。たらればの話にはなるが、ジョンレノがここで自分がどう見られるかを複数の視点で客観視できれば彼を含めた関係者たちが一番損をしない形で決着がついたのではないだろうか。あくまでたらればであるが。

ジョンレノは活動自粛、チョコスモも機能停止。その後、動画のクオリティの観点としては悲しい出来事が続いた。

ロングビーチ・ジョンレノTV~ジエンド

ジョンレノを失ったチョコスモメンバーは早急な対応を余儀なくされた。もともと一人で活動していたヨハンはまみこ部のまみこにスムーズに戻れたが、アレックスとケビンが浮遊状態。そこで二人はかねてより親しくしていた二人組YouTuberの東京コンセントマジックのアダムとボブを引き入れ「ロングビーチ」を結成。しかしジョンレノのキャラに依存していた体質が急に変えられるわけでもなく、本人たちの自己紹介や近辺報告として自らのコンテンツを薄切りにして動画にしていく、到底長く続けられるわけもない運営形態だった。それでも視聴者は少なくなかったが、これはチョコスモ時代で現れた「その人の動画があれば面白くなくても幸せ」な層、簡単に言えば顔ファンによるものが大半である。

ロングビーチの結成に少し遅れる形で、多方面から復活が望まれたジョンレノが個人チャンネル「ジョンレノTV」を開設。友人である「多村家の日常」のたむちんがしばしば登場するも、これはこれで安定した低空飛行を見せ、華々しい復活にはならなかった。

 

ロングビーチの惨状をリカバーするためか、ジョンレノは2つのチャンネルのメンバーを統合、さらに新しいチャンネル「ジ・エンド」を開設した。しかしこれもうまくはいかなかった。理由としては、ジョンレノのキャラが据え置きだったにも関わらず、炎上の残り火を気にして全面的にプッシュしなかったことが考えられる。ロングビーチ時代の自己紹介、近辺報告だけの動画のクセがここで残り、「報告系YouTuber」と揶揄された(どのくらい報告してたかというと、全69本の動画でだいたい35本、半分が報告系。中にはメンバー、グループ名の改名だけの報告も)。報告以外の動画は、ドキュメンタリーを装ったコントが中心だった。これは「多村家の日常」でキレる演技に定評のあったたむちんが中心だったが、ジョンレノとたむちん以外の演技に限界がありこれも長くは続かなかった。

方向性に迷う6人は、それぞれが夢と称して別々の企画でチャンネルを作り始めた。

 

ジョンレノ(岩崎智樹)・ケビン(宮川健太)→Violet

たむちん→たむちんの仮想通貨channel

ボブ→BOB'Sキッチン

アレックス(藤田悠人)→モデル志望(チャンネルなし)

アダム→学業(チャンネルなし)

 

その結果、彼らの拠点が地元滋賀と東京で二分され、撮影がスムーズにできずジエンドは半年足らずで解散したのであった。

 

 Violetの迷走

ジョンレノとケビンは、岩崎智樹と宮川健太として本名名義で音楽グループVioletを立ち上げた。Twitter時代から自作曲を弾き語り、「歌はイケメン」「智樹くんの時はカッコいい」という評価があった岩崎としては、元々の夢でありジョンレノに頼らない新しい人気獲得システムとしてVioletに注力することとなる。

 

本人たちは真面目に夢を追いかけるつもりだったようだが、音楽的には正直音楽ファンを取り込むにはかなり難しいものがあった。

曲そのものは2000年代J-POPの後追いのようなありがちなメロディや言葉選び感が否めないし、歌唱力に関しては岩崎の音域が狭く宮川の声量が小さいという致命的な弱点を抱えていた。

音楽的な弱点を改善できないまま、元アレックスの藤田悠人をメンバーに引き入れ、さらに音楽の素養を持たない彼はDJの担当に。形態だけはファンモンのそれであった。

 

 歌唱力の増強、楽器に関する勉強が不可欠であった彼らは、自らのボイストレーニングと商業音楽に関する学習を後回しにして自分達より声の出るボーカリスト2人をメンバーに入れるという安易な手段に出た。

しかしこんな体たらくでもファンミーティングには小さいライブハウスに集客できるほどの人気はあったのだ。平たく言えば顔ファンの存在である。飛びぬけてルックスが優れるわけではないがジョンレノとの表情のギャップに惹かれる固定ファンは少なくないためその集団からギリギリ収益を望むことはできた。しかしクリエイターとして彼らを評価する者はいないので少しずつ固定ファンが剥がれていく縮小再生産に落ち着き、グループの成長を望む岩崎たちにとっては芳しくないまま藤田の脱退を迎えることとなる。

 

 

自らの悪手で八方塞がりとなった岩崎は、ヒカルとラファエルに相談。彼らのアドバイスから、未だ多くの登録者を持つチョコスモのアカウントをジョンレノ個人のチャンネルとして運用、2019年元日からほぼ毎日投稿で現在に至る。

 

以上が詳細を含めたジョンレノの栄枯盛衰である。

 

 

 

 

 ジョンレノは何が面白くて伸びたのか

長くなったがいよいよここから本題。ジョンレノがあれほどのロケットスタートを決めた理由について。これを語るに必要なキーワードは「二重構造」である。

二重構造は数年前からお笑いやバラエティでのトレンドになりつつあるエンターテインメントの手法。イッテQのスタッフいじりやめちゃイケの台本を感じさせる内輪もめなどがそれにあたるだろう。

松本人志が世間に広めた「笑いは裏切り」という一般化された規格が日本人の「お笑いIQ」を半ばガラパゴス化させるようにして吊り上げたわけだが、この影響でテレビでのバラエティ企画にマンネリを感じた世間は「作り手(スタッフ)の目線」というメタ的な視点を感じることに面白さを感じるようになった。これが二重構造である。

この辺の話を論じるとまた長く白熱してしまうのでこのような概要にとどめておくが、つまるところチョコスモの動画はこの二重構造になっていたと考えられる。

 

前提として、ジョンレノはキャラであり岩崎智樹の演技である。つまりいくらジョンレノがびっくりしようがジョンレノがメンバーをイジろうが素から出た言葉ではない台本のようなものなのだ。そこでYouTuberがやりがちなドッキリ企画をするものだから、生身の人間がやるドッキリよりキャラを纏ったジョンレノがやるドッキリの方が一段階発展したものであることは明確である。なぜなら視聴者は多かれ少なかれ「作り手」を意識できるから。

ジョンレノのキャラクターは、全てのありがちな企画を、それを用いたシチュエーションコントに変える特性があるのだ。(実はTwitter時代の動画は二重構造にはあたらないと考える。どちらかというと「無表情と明るい楽曲」というギャップが生む一次的な笑いともとれる。類似動画に大入道トーマスが挙げられる)

 

今年初めに復活したジョンレノにも、その特性がよく表れた動画がある。これだ。

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YouTuberの年収は基本的には謎であり、儲かっているYouTuberがこれを公表することで再生数を伸ばすコンテンツとなる。ヒカルなど金を使いまくる系のイメージがあるYouTuberがこれをする傾向にあり、ある程度YouTubeを見ている視聴者からすれば有名な題材だ。YouTubeで夢を見たい者、YouTuberが「楽して儲ける様」を見て怒りたいアンチがまたこれだとこのようなサムネとタイトルをクリックする。

 

しかし待っていたのは年収を聞いてびっくりして後転してしまった勢いでたまたま大阪に着いてしまうジョンレノという、言ってしまえばちょっと質の低いショートコント。 年収を聞きたいという期待に反するトンデモ設定のコントという構図は「笑いは裏切り」の方程式に合致するし、ジョンレノという予測不可能なキャラがこれをやることで無理やり整合性が取れるというキャラの特性を活かした唯一無二の動画形態なのだ。

 

これぞジョンレノ、この方向性がベストマッチだと僕は思う。キズナアイコラボ動画とかもそうだし。

 

 

しかししばらくしてまた悪い癖が出てきた。ジョンレノと岩崎智樹の違いやほかのキャラを作ることで、自己紹介や報告系の動画が増えている。前述のとおりこれは縮小再生産であり新規のファンを獲得する手段になりえない。現に、弾き語ろうがコラボしようがコメント欄では「ジョンレノかわいい」的な動画見ても見なくてもさほど変化しないであろう、ジョンレノ本来の魅力・面白さを受け取れていない者が目立つ。

こういうファンを大切にしようとするのはえらい、でもそうするとだんだん縮小していくだろう。具体的に言えば6月に入ってから登録者は微妙に減り始めている。

 

今ジョンレノに必要なのは、チョコスモ時代以上の新規ファンの開拓じゃないのか。だからなかなか50万人行かんなあって言葉が出てくるんだろう。

 

チャンネルの成長のためにすべき、一つの案

再度申し上げるが、ジョンレノは他のYouTuberの企画をキャラというフィルターを通すことで二重構造の笑いを作れる特性がある。

そしてもう一つ。今のYouTuber界は中小規模のチャンネルが大物YouTuberの後追い企画、二番煎じしかできない。そんな現状があることもここで述べておこう。

 

この2つのことから考えられるジョンレノの活路。

 

 

 

それは、ジョンレノのフィルターを通して後追い、二番煎じをしまくることだ。

 

 

具体的には、

Twitterのトレンドなどから大物YouTuberたちが拾った企画を、サムネとタイトル、動画の入り口でだけ採用

②しかしジョンレノは不安定なのですぐ企画崩壊

③最後は全く違う話題、方向性のボケでシメる

 

以上3点の構造だ。①で一般層を期待させ、②③で2段階の裏切りを用意する。笑いは裏切り、二重構造。異端なようで現代の笑いにマッチした動画になると思う。

しかも元の企画自体はYouTubeの急上昇に転がっているので、他チャンネルに比べて0から企画を立てる労力が多少省けるというメリットがある。さらに、「有名人がやっててもう見たことある」という、コンテンツとしては廃棄物になるはずだったものを再利用する夢のエコシステムでもある。別にこれは新しいことではなく、ジョンレノが今まで実際にやってきて、なおかつそれが受けていたという実績のあるシステムで、それを量産しやすいように構造をここで文字に起こしただけのものだ。

 

DA PUMPのUSAのパロディ動画を例に挙げれば、

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①→有名曲の歌ってみた、踊ってみたというありがちなコンテンツ

②→歌詞もメロディもダンスもちゃらんぽらん、あんなに有名な曲を狂って表現(ここで笑い)

③→全然関係ないひょっこりはんパロディで急展開、最後のオチを作る

 

しっかり①②③のフォーマットを満たしている。ジョンレノは無意識にこれをやっていたのだ。今後はこの型を意識すれば面白い動画が(多少の波はあるだろうが)量産できるはずだ。

 

 

 

最後に、ジョンレノさんへひとこと

 

くそ、おもひれぇんだよぉぉ…

 

マジでごめんなさい。

もしエゴサでこの記事にたどりついたら、低迷期のことボロクソ言っててお気を悪くされたかもしれないですね。もしかしたら熱心なファンの方も。ごめんなさい。もうこれはごめんなさいとしか言いようがないです。でも僕もジョンレノさんのファンなんです。じゃなきゃここまで長いこと書かないし考えないでしょう?

 

さらに罪を重ねるかという感じですが、もしよかったらお願いがあります。

ジョンレノさん、もしこの記事読んで頂けたらご連絡くださると幸いです。あくまでも上記の案は僕の考えで、ジョンレノさんの方針とは違うかもしれないし、事実と間違いがあればすぐに修正させてもらいたいのが1つと、これがきっかけでよりよい面白さについての議論ができたらいいなっていう私欲が1つです。

 

この記事があなたの糧になり、借金返済と収益の足しになることを願うばかりです。